ボールねじ軸の許容回転数とは
ボールねじ軸の許容回転数とは、軸が振動・共振を起こさずに安定して回転できる上限回転数のことです。
この上限を超えると、軸が大きくたわみ、振動が増幅されることで異音・精度低下・破損につながる可能性があります。
許容回転数は主に以下の要素で決まります。
- 取付方法(支持条件)
- 軸の太さ(谷径)
- 支持間距離(スパン長さ)
特に支持間距離の影響が非常に大きく、長くなるほど急激に回転数が低下します。
危険速度とは
危険速度とは、回転中の軸が固有振動数と一致して共振する回転数のことです。
この回転数付近では以下の現象が発生します:
- 軸が大きく振れる(たわみ増大)
- 振動・騒音の増加
- ベアリングやナットの寿命低下
そのため実際の設計では、
→ 危険速度の80%以下で使用するのが一般的です。
DN値とは
DN値とは、回転数と軸径を掛け合わせた値で、
ボールねじやベアリングの高速回転限界の指標です。
DN値の式:
DN = d × N
- d:軸径(mm)
- N:回転数(rpm)
DN値が大きくなるほど、
- 発熱増加
- 潤滑不良
- 摩耗促進
といった問題が発生しやすくなります。
一般的にはカタログに許容DN値が示されており、それ以下で使用する必要があります。
計算例①(危険速度)
条件
・λ = 15.1
・d = 17.5 mm
・L = 1000 mm
計算式
Nmax = λ × d / L² × 10⁷
計算
Nmax = 15.1 × 17.5 / 1000² × 10⁷
Nmax = 15.1 × 17.5 / 1,000,000 × 10,000,000
Nmax ≒ 2643 rpm
→ 推奨使用回転数(80%)
約 2100 rpm
計算例②(DN値)
条件
・DN値 = 70000
・d = 20 mm
計算式
Nmax = DN / d
計算
Nmax = 70000 / 20
Nmax = 3500 rpm
ポイント
- 危険速度 → 軸の振動限界
- DN値 → 発熱・寿命の限界
- 実設計では
→ 両方を満足する回転数にする必要がある
