トルクとは
トルクとは、物体を回転させる力の大きさを表す量で、機械設計やモータ選定において非常に重要な指標です。
単位は Nm(ニュートンメートル) で表されます。
トルクには大きく分けて2つの考え方があります。
① 力によるトルク(静的トルク)
回転中心から離れた位置に力が作用すると、回転させる力(トルク)が発生します。
T = F × r
- T:トルク(Nm)
- F:力(N)
- r:距離(m)
例えば、長いレンチほど小さな力でボルトを回せるのは、この原理によるものです。
② 慣性によるトルク(動的トルク)
回転体を加速・減速させるためには、慣性に打ち勝つトルクが必要になります。
T = J × α
- T:トルク(Nm)
- J:慣性モーメント(kg·m²)
- α:角加速度(rad/s²)
サーボモータの選定では、こちらのトルクが非常に重要になります。
慣性モーメントとは
慣性モーメントとは、回転しにくさを表す量です。
質量が大きいほど、また回転中心から遠いほど大きくなります。
イメージとしては以下の通りです。
- 軽い物体 → 回しやすい(慣性モーメント小)
- 重い物体 → 回しにくい(慣性モーメント大)
また、同じ質量でも
- 中心に集中 → 小さい
- 外側に分布 → 大きい
という特徴があります。
機械設計では、プーリ・ギア・ボールねじ・テーブルなどの慴性を考慮し、必要トルクを算出します。
角加速度とは
角加速度とは、回転速度の変化の速さを表す量です。
単位は rad/s² です。
簡単に言うと、
- 急加速 → 角加速度が大きい
- ゆっくり加速 → 角加速度が小さい
となります。
例えば、短時間で停止・起動を繰り返す装置ほど、大きな角加速度が必要となり、それに比例して必要トルクも増加します。
計算例
① 力からトルクを求める
力:100 N
距離:0.25 m
T = F × r
T = 100 × 0.25 = 25 Nm
② 慣性トルクを求める
慣性モーメント:0.0025 kg·m²
角加速度:150 rad/s²
T = J × α
T = 0.0025 × 150 = 0.375 Nm
まとめ
- トルクは「回す力」を表す重要な指標
- 静的トルク(F×r)と動的トルク(J×α)の2種類がある
- モータ選定では慣性トルクの影響が大きい
実際の設計では、これらを組み合わせて**総合トルク(負荷+加速)**を算出することが重要です。

